組織活性化のための伴走支援及びボトルネック可視化

事例概要

クライアント

特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・

むすびえ

お問い合わせ内容 メンバーがより自律的に活動しやすい環境づくりのために着手すべき組織課題を特定したい
プロジェクト概要 むすびえは全国のこども食堂を支援するNPO法人で、設立6年目を迎え活動が拡大。しかし、拡大に伴い組織課題も多様になっていた。そこで、メンバーがより自律的に活動しやすい環境を整備するために、内部向けのアンケートやヒアリングを行い、課題のボトルネックと全体像を図解したマップを作成した。
実施期間 2024年5月〜2024年12月


本プロジェクトについて

メンバーがそれぞれ自律的に活動しやすい環境づくりをするために何を改善していくべきか、組織内の現状とボトルネックを可視化しました。

 

特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)からのご相談で、支援者の方々から寄付をいただきながら活動を拡大し、またその活動のためにメンバーの数を増やしているなかで、その拡大に伴って新しいメンバーがすぐにむすびえになじんでパフォーマンスが発揮出来る環境づくりなど、多様なメンバーが組織内で活動しやすくなるような体制をつくっていくことで、より大きな社会的インパクトを生み出していけるようにしたいとのことでした。

 

そうしたご相談にお応えするために、むすびえのみなさまとの定例会やヒアリングを通して、メンバーがより活動しやすい環境を整備するために必要な要件を考える土台として、組織の現状の深掘り・整理と全体像の可視化を行いました。


本プロジェクトは8ヶ月にわたり、3つのフェーズに分けて進めました。

 

 

第1のフェーズでは、本件に関する定例会を月2回開催し、むすびえの組織の現状や、組織がどうなったら良いかという理想像などを伺いました。各回で話された内容を都度図解し目線を合わせながら組織の業務フローなどを可視化しつつどこで何がボトルネックになっていそうかを議論していきました。

 

第2のフェーズでは、メンバーの方々へのアンケートとヒアリングを設計し実施しました。アンケートでは、第1フェーズで洗い出した業務フローの整理に基づいて質問項目を設計しました。また、アンケートを回答いただいた方々から役職のバランスを考慮しつつ一部の方を対象に、回答内容について直接ヒアリングを行いながら、より詳細に現状の困りごとの背景事情や、むすびえがどうなってほしいかという理想像について意見を伺いました。

 

第3のフェーズでは、これまで出てきた組織の現状や課題を取りまとめ、因果関係を整理して、その全体像とボトルネックを2つの図解で可視化しました。

 

まず1つめの図解は「組織課題因果マップ」です。これは、組織課題についてこれまでのプロセスで集めた課題についてフラットに整理しつつ、その課題同士の因果関係をつなげたものです。組織の課題は単独で存在しているわけではなく、さまざまな要因同士が絡み合ってお互いに影響し合いながら存在しています。また、自分にとっては重要な課題でも、他の組織メンバーにとってはあまり認識されていない課題もあります。そうした課題の全体像を可視化することで、組織全体の課題をみんなで目線を合わせて共有できるツールとして、この図解を作成しました。

 

次に作成した図解は、「組織課題分解マップ」です。これは、中でも特に課題感が大きかった特定の組織課題を中心に置き、それを分解しながら、どのような課題がその中心課題に紐付いているのかを可視化したものです。これは「組織課題因果マップ」とは異なり、課題に中心性を持たせ、特に重要な課題がどんな課題によって引き起こされているのかを整理します。これによって、より解決したい課題に対してどのような打ち手をまず考えるべきかについて、焦点を明確にして議論することができます。

 

 ※図解は一部ぼかしています

 

今回作成した2つの図解は、本件に定例会やアンケート、ヒアリングを通じて関わってくださった一部のむすびえの方からの声をもとにしているため、すべての声を集めて可視化できたわけではなく、暫定的なものになります。今後はこの図解がむすびえの組織を考えるうえでの共通言語として議論の土台となり、みんなで組織のあり方を主体的に考えていくムーブメントにつながっていくことを期待しています。

 

図解総研では、複雑な課題に向き合う企業や組織にいる方々に、前提条件から向き合い、構造化の力を用いて図解することで、課題解決の支援をしています。ご興味のある場合は、プログラムをご覧ください。

図解総研プログラム:https://zukai.co/pages/program

 

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